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思いつきでTRPG・ボードゲームに関するブログはじめました. といってもクトゥルフ神話TRPG(Call of Cthulhu)に関することがほとんどだと思いますが. よろしくお願いします.
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こんにちは、アノマロです。

 前回の記事から半年余り経ってしまいました。久しぶりの更新です。

 さいきん推奨技能が必要かどうかについてTwitterで多く議論されていますね。「推奨技能はセッションを円滑に進めるために必要」という意見から「推奨技能を取ってこないくらいで卓が滞るのはGMの技量の問題」という意見まで、数多くの考え方があるようです。(こういった話題は昔から度々再燃するので今回に限ったことではないですが…)

 私は前回の記事推奨技能なんていらない!で表明した通り、推奨技能不要論者です。しかし他所のグループのセッションスタイルを否定するつもりがないことは、内容を読んでいただければわかると思います。

 今回はツイッターで度々見られる「推奨技能がないとどんな探索者を連れて行けばいいかわからない!」「セッションで活躍できずに迷惑をかけるのが嫌だ!」といった意見のプレイヤーさんたちのために、一つの道しるべをご紹介しようと思います。推奨技能なしの卓をやってみたいけど上記の理由で敬遠している方はもちろん、普段探索者作成に悩んでいる方も是非ご覧ください。


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 ここで紹介する『探索者のアーキタイプ』は、クトゥルフ神話TRPGのセッションで手っ取り早く活躍できる技能構成のサンプルたちです。彼らの技能は特に1920年代の公式シナリオで活躍が期待できるものです。早速見て行きましょう。
 ※特に言及がなければサンプルは DEX 11 INT 13 EDU 14 の平均的な能力値です。その他の能力値はどのような値でも問題ありません。


【オールラウンダーな探偵】
DEX 11 INT 13 EDU 14
技能:目星 75% 図書館 75% 心理学 75%
 運転(自動車) 70% 言いくるめ 70%
 拳銃 60% 回避 52% 跳躍 35%
 鍵開け 31% 法律 20%

 クトゥルフ神話TRPGで出番の多い〈目星〉〈図書館〉〈心理学〉を中心に、逃走や攻撃にも使える〈運転〉、汎用性の高い〈言いくるめ〉、戦闘用の〈拳銃〉などにポイントを割いています。現代日本の場合は拳銃の代わりに近接武器技能を取得するといいでしょう。
 この探索者を使えば活躍の機会が無いということはほぼないでしょう。もし技能失敗が怖い方は〈目星〉や〈心理学〉にもう少しポイントを割り振ってもいいかもしれません。


【死体から謎を紐解く医者】
POW 15 DEX 11 INT 15 EDU 18
技能:医学 85% 精神分析 81% 信用 75%
 組み付き 75% 心理学 65% 図書館 60%
 回避 52% 聞き耳 45% 目星 40%
 ラテン語 31% 生物学 31% 薬学 21%

 医者はどんな時代のどんなシナリオでも必要とされます。パーティーに医者が一人もいなければそのセッションは通常よりも困難なものになるでしょう。〈医学〉〈精神分析〉は味方を回復させるためだけのものではありません。死体は事件の謎を雄弁に語りますし、狂気に苛まれた神話の犠牲者と話をするのもこのゲームでは重要なことです。
 〈信用〉は病院の書類を閲覧するときなどに使えます。〈組み付き〉は暴れる患者を押さえつけるため、医者らしい技能と言えます(私はそう思っています)。
 高POW、高INT、高EDU推奨です。


【情報を掠め取る犯罪者】
DEX 11 INT 13 EDU 14
技能:隠れる 85% 忍び歩き 85% 目星 75%
 鍵開け 71% 登攀 70% 言いくるめ 55%
 変装 41% 拳銃 40%

 「こんなとき〈忍び歩き〉〈隠れる〉があったらなあ!」そうセッションで思ったことはありませんか?
 事件のカギを握る重要な情報があの屋敷にあるはずなのに、どうしても中に入れてくれない。そんな時は忍び込んでしまえばいいんです。〈隠れる〉〈忍び歩き〉〈鍵開け〉〈登攀〉はあなたの仕事を助けてくれます。潜入先で見落としをしないために〈目星〉にもポイントを割り振りました。〈言いくるめ〉〈変装〉は行動を怪しまれたときのセーフティネットです。


【戦闘で頼りになる兵士】
STR 13 CON 14 SIZ 15
DEX 15 INT 10 EDU 11
技能:ライフル 80% キック 75% 聞き耳 70%
 回避 60% 応急手当 60% 目星 50%
 跳躍 50% 忍び歩き 50% 機械修理 40%

 推奨技能のない卓というのは公式シナリオか、公式リスペクトの作品が多いです。そういった卓に不意の戦闘はつきものです。もしくはクライマックスが戦闘ということも。
 現代日本が舞台の場合は〈ライフル〉を〈マーシャルアーツ〉に変更するのもいいでしょう。神話クリーチャー相手では心もとないですが、カルティスト相手なら十分力を発揮します。
 STR、CON、SIZ、DEXなどのフィジカルが高水準だといいでしょう。逆にINTとEDUは低くて構いません。(キーパーに能力値の入れ替えを申告しましょう)


【専門知識を活かす教授】
DEX 11 INT 15 EDU 18
技能:考古学 76% 地質学 76% 説得 75%
 オカルト 75% 図書館 70% 信用 70%
 応急手当 60% ショットガン 60% アラビア語 51%
 目星 45%

 教授が活躍できるかどうかのカギはシナリオのトレーラーにあります。特に公式シナリオでは「プレイヤーの知識」としてさわりの部分を事前にプレイヤーに公開することが多いです。
 上のサンプルは「遺跡調査の見学に誘われた」というトレーラー情報だと仮定して作成しています。仮にトレーラーが「物理学の研究者が行方不明になった」等だったら〈考古学〉〈地質学〉の代わりに〈物理学〉〈電子工学〉等を取得するといいでしょう。
 〈ほかの言語〉もトレーラーから類推できることがたまにあります。特になければ〈ラテン語〉か〈アラビア語〉、現代日本なら〈英語〉を取得するといいでしょう。
 高INT、高EDU推奨です。


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 いかがだったでしょうか。思えばソードワールドなどの戦闘システムにウェイトが大きいTRPGシステムは個人ブログなどでビルド論を語っている方がよくいますが、クトゥルフ神話TRPGではほとんど見かけませんね。これはまあクトゥルフがゲームの効率的な攻略よりも神話的体験とロールプレイを楽しむことにウェイトを置いているからだと思います。(ソドワがロールプレイできないシステムだと言っているわけではないですよ!)

 ここで紹介したアーキタイプはもちろん「探索者が活躍できないと怖い」という方のためのものであり、「うるせー俺は好きに作りたいんだよ技能バランスとか知ったことか!」という方はそのままでいいと思います。大前提として、推奨技能無しの卓では1人のプレイヤーが攻略のために役割を果たせなかったとしても迷惑がる人などいません。それよりも神話的恐怖に遭遇した時にいい反応を示してくれる方がよっぽど有難がられます。

 推奨技能無しのセッションに慣れていない方や、いつもどんなキャラクターを作っていいか悩む方は、まず上記の5アーキタイプを参考に自分なりに技能の配分を変えてみたりしてください。

それでは、良いTRPGライフを
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こんにちは,アノマロです.

 突然ですが,私はCoCに推奨技能は必要ないと考えています.もしかしたら,この時点で「は?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません.「推奨技能が無いとセッションが詰むだろ!」という声も聞こえてきそうです.確かに,インターネットで公開されている個人製作のシナリオや同人シナリオには,推奨技能に成功しなければ先に進めないようなものもあることも事実です.しかし,待ってください.実は基本ルールブックに掲載されている4つのサンプルシナリオには,推奨技能が書いてあるものは1つも無いのです.そう,1つも.他にも,本国アメリカでケイオシアム社が発行したシナリオには,「取得することが推奨される技能」の記述は非常に稀です.

 私の主張は,しかし「だから推奨技能の提示はCoCの遊び方として邪道だ!」というものではありません.CoCは自由であり,あらかじめ推奨技能を提示することは何らルールに反したものではないのです.そして,日本で発行されたサプリ掲載のシナリオには,ちらほら「推奨技能」の記述があるシナリオもあります.例えば私の大好きな「しろがねコーヒー」にも推奨技能があります.従って,推奨技能を提示することは日本においてはかなりメジャーな遊び方だと言えます.

 では,CoCに推奨技能は必要ないという冒頭の主張はどういうことか.これは,「推奨技能が無いほうがセッションを楽しく遊べる」という私の考え方を示したものです.そしてその根拠は【解決策の多様性】と【自由な探索者作成】という2つの要素に分けられます.


【解決策の多様性】
 CoCの楽しいところは,提示された課題・問題に対して,探索者がパーソナリティーに沿ってどう解決策を考え,実行していくかというところに尽きると思います.例えば探索者が訪れた辺境の村で,生贄を捧げるような凄惨な儀式が行われ,邪神があと一歩で復活しそうだと調べが付いたとしましょう.ある探索者は正義に燃えるジャーナリストで,写真を撮って証拠を集めて警察当局に訴えるかもしれません.また,ある探索者は無骨な退役軍人で,銃を取って戦うことを選ぶかもしれません.この2つのケースは,それぞれのプレイヤーが「この探索者ならこうする」と考えたから生まれた結果なのです.当然,それぞれの解決策で使われる技能はまったく違います.前者は〈写真術〉〈隠れる〉あるいは警察に対する〈法律〉や〈信用〉あたりでしょうか.後者はとにかく銃を扱う技能とたくさんの耐久力ですね.探索者の数だけ宇宙的恐怖に立ち向かう策がある,「解決策の多様性」というものが私は楽しいと思っています.

 推奨技能がある場合,この楽しみは失われがちです.推奨技能は『あるルート・ある解決策』を想定して設定されることがほとんどです.必然的に,推奨技能を取っていけばセッションにおける解決策は一様になってしまいます.悪く言えば「誰がやっても同じ」になってしまうのです.それでも,推奨技能を使う以外の解決法を認めてくれる柔軟なシナリオ(あるいはキーパー)が相手の場合はまだ自分なりの方法を考える余地はあります.しかし中には,シナリオが想定した技能を使用しないと解決できないようなものもあります(俗にいう「詰み」が発生します).

 この手のシナリオは,誰がやっても同じにならないためにある形式をとっていることが多いです.探索者(プレイヤー)に「選択」を迫るのです.例えば,「自分が閉鎖空間から脱出するために,NPCの少女を殺さなければならない.逆に自分を殺せば,その少女を脱出させることができる.」とか,そういう風な選択です.探索者を生還させるためには,少女を殺したという業を背負うのでいわゆる「しんどみ」?を得ることができます.

 (ただ,私はこういうシナリオがあってもいいと思いますし,好きな人が多いのもわかっているつもりです.ノベルゲーでやれとは言いません.サイコロ振らなかったら途端に陳腐になって耐えられなくなるからです.クトゥルフのセッションという形式をとっているからこそ楽しむことができるのです.別ゲーだとは思ってますが!)


【自由な探索者作成】
 推奨技能を「あったら楽しめる技能」として提示するキーパーもいます.技能に成功すればシナリオの背景情報が出ることが多いですね.この場合は「解決策の多様性」を損なっていないと言えます.ただ,推奨技能にはもう一つの問題があります.それは「探索者作成が窮屈になる」という問題です.

 例えば,推奨技能が〈目星〉〈聞き耳〉〈図書館〉だったとしましょう.そして選んだ職業の職業技能が〈目星〉だけを含んでいるとします.〈聞き耳〉〈図書館〉に個人的な興味として50ポイントずつを振り分けた場合,興味技能は100ポイントも消費してしまいます.INTが平均的な値の13だとしたら,もう30ポイントしか残っていません.これでは残りをなんか変な芸術技能にでも振るのが関の山です.

 3つだけでも大変なのに,世の中には推奨技能を10とか15とか提示するキーパーもいます(準推奨技能ってなんだ?).もう,そうなったら職業技能も含めてほとんどが推奨技能に塗り固められた探索者を作らざるを得ません.(というかこの場合は開き直って好きな技能取って行ってもいいんじゃないかとさえ思えます).パーティーで分担すればいいじゃない,思う人もいらっしゃるかもしれませんが,こういうセッションに限って相談しているのを見たことないんです.なんでなんでしょうね.

 私は上に挙げた窮屈な探索者作成よりも,推奨技能の無い「自由な探索者作成」の方が好きです.その日の気分によって,あるいはシナリオの傾向によって「どんなことができる探索者を作ろう」と考える楽しみがあるからです.


【違う楽しみ方があってもいい】
 推奨技能が必要ないという主張に関して「解決策の多様性」「自由な探索者作成」という2つの楽しみ方を挙げましたが,もちろん「その楽しみ方は必要ない」という方がいてもいいと思います.というか,私が以前ツイッターでとったアンケートでは推奨技能があったほうがいいという方が多数派でした.

 世のプレイヤーに推奨技能が必要とされる主な理由は「自分の探索者が活躍できないと嫌だ」「他の人の足を引っ張りたくない」というものだと考えられます.以前のアンケートではそういうコメントが多かったと記憶しています.キーパー側からすれば「シナリオ内で振ってほしい技能がある」「詰み防止のため」という感じだと思います.

 正直,シナリオによってはこれは仕方ないと思います.そして,それで十分楽しんでいる方に「本当の楽しみ方じゃない」というほど傲慢でありたくありません.


【それでも,一人でも推奨技能の無い世界へ】
 もし,これまでの私の意見を読んで「確かに推奨技能が無い方が面白いかも」と思った方がいたら.そして「推奨技能が無い場合どうしたらいいか」と悩んでいるプレイヤーとキーパーの方がいたら.そんな方々のために,次回の記事を書こうと思います.


次回「推奨技能がないセッションでどうするか」
こんにちは、アノマロです。
 最近Twitterで「キーパーに断りもなくオリジナル職業を提出されるのは困る。普通はサンプルの職業から選ぶものだ。」という意見を言われている方がいらっしゃいました。
 もちろん、トラブルを避けるために「新しい職業の創造」をする場合はキーパーと相談した方がいいでしょう。しかし、職業の創造自体は選択ルールではなく基本ルールであり、どのプレイヤーにも権利があります。(意見を言われていたご本人はこのルールをご存知でしたが。)
 このことはプレイヤーとキーパーが双方歩み寄るべき事例だと思います。職業の創造がルールで担保されている以上、キーパーが事前確認をしたい場合はその旨をレギュレーションに書くべきでしょう。

 それはそうとして、この「新しい職業の創造」ルール、知らなかった方も結構いらっしゃるのではないでしょうか? 前置きが長くなりましたが、今回は皆さんが割と勘違いしている「実は公式ルールではないハウスルール」をいくつか紹介したいと思います。


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【1~5クリティカル、96~00ファンブル】
 オンセCoC界に深く浸透しているこのクリティカル、ファンブルのルール。実はルールブックには一切書かれていないのです。ではなぜこのルールが広まったのでしょうか?
 このルールの元となったであろう記述が、ルールブックの「キーパーのツールキット」にあります。それは戦闘時の決定的成功と致命的失敗という項目で、これは選択ルールです。元々は戦闘時のみ1~5をクリティカル、96~00をファンブルとして扱うというルール(しかも選択ルール)だったわけですね。
 おそらくニコニコ動画でクトゥルフ神話TRPGが最初に流行り出した際、クリティカルやファンブルが多い方が動画栄えするから通常時にも拡大採用されたのでしょう。

【初期値成功、クリティカル、ファンブルでの成長】
 細かい成長ルールはキーパーごとに千差万別だと思います。ですが、実はそもそもこの有名な初期値成功などという言葉はルールブックのどこにも書かれていません。古代生物もこの成長ルールの開祖が誰なのか、どうして広まったのか一切わかりません。
 ルールブックに書かれている成長方法としては、「技能に成功したとき、キーパーが許可すれば成長チェックをつけてよい」という趣旨の記述と、あとは訓練による成長のみです。(詳しくはルールブックをご覧ください。)
 古代生物の想像ですが、このルールはレベルの概念がないクトゥルフ神話TRPGにおいて、多くの成長を実感したいというプレイヤーたちの要望から一般化したものと思われます。確かに沢山成長した方が楽しいですからね。

【貫通に関するアレコレ】
 戦闘なしのシナリオも多い昨今では、貫通ルールを採用していない方(あるいはそもそも貫通ルールがよくわからない方)も多いかと思います。しかし、貫通ルールは選択ルールではなく基本ルールであるため、採用しない場合はしっかりとセッション前に通告しなければなりません。そう、貫通を採用しない方がハウスルールとなってしまうのです。
 貫通はそんなに難しいルールではありません、戦闘のスポットルールのページを読めばすぐに理解できるでしょう。
 貫通でよく勘違いされがちなのが、「貫通が発生すると装甲を無視できる」という思い込みです。貫通の語感からそう誤解してしまうのも無理はないですが。正しいルールはルールブックを読むか、詳しいプレイヤーが来たときにレクチャーしてもらいましょう。

【職業は職業リストから選ばなければ(またはそれをベースにしなければ)ならない】
 これは誤解です。基本ルールブックでは「職業はいくつあってもよい」とされ、「新しく職業を創造する場合は技能を8つ以下にするのがいいだろう」と記述されています。ただし、技能がその職業に相応しいかどうかはキーパーも気になるところだと思いますから、新しい職業を創造する場合は必ず相談するべきでしょう。
 逆にキーパーは新しい職業を打診されても難色を示すべきではありません。ルールブックで保障されている基本的なルールだからです。その職業が時代と舞台に相応しいか、技能が職業を表現しているかをチェックし、しかるのちにそのキャラクターをOKするかどうか判断しましょう。

【攻撃したラウンドで回避を行う】
 実は回避技能は攻撃したラウンドでは使用することができません。逆に回避を行ったラウンドでは攻撃をすることができません。この攻撃と回避の併用は基本ルールでは出来ないことを知っていても、ハウスルールで採用されている方は多いようです。基本的に戦闘で一撃でも食らうと致命的になるクトゥルフ神話TRPGにおいて、いつでも回避ができた方がいいという判断なのだろうと思います。


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 いかがでしたでしょうか。最近ではTwitterでルルブ準拠を主張する方も増えたので、これらが基本ルールではないことを知っている方は多いと思います。
 それでもあえてこういったルールを使用し続ける方にお願いをしたいのは、かならずセッションの前にハウスルールとして通告してほしいということです。特別ルールが言及されていない場合、ルールブックにしたがって裁定されるのはゲームとして当たり前のことですから、ゲームが始まってからハウスルールを告げられると不満が出てしまうかもしれません。

 ここに挙げているルール以外にもみなさんが間違って覚えているルールがあるかもしれません。古代生物も間違えて覚えているルールは1つや2つではないと思います。もしセッション中にルールの間違いをプレイヤーから指摘された場合、うざいと思わずにルールブックを確認しましょう。
 最もやってはいけないのは、ルールの間違いを指摘されたときに「今までそうしてきたから」とか「あのキーパーさんがそうしてたから」とか「キーパーの裁定に従わないのは不貞だ」などと考えて機嫌を悪くし、正しいルールを確認しないことです。キーパーが最も気をつけなければいけないことは「公平性を保つ」ことであり、最も公平なことはあいまいな慣例に従うことではなくルールブックの記述に従うことです。そして、ルールブックと異なる裁定をする場合はプレイヤー全員に納得してもらうことが重要です。
 古代生物的にはハウスルールを設けたり、ルルブと異なる処理をすることは悪だと思いません。わたしもよく「耐久力1で本当なら気絶してるけどクライマックスだから気力を振り絞って動けます」とか平気でやります。
 もしハウスルールがあるならセッションの前に通告しましょう。初めて遊ぶプレイヤーがいるなら尚更です。そして、自分で知らないうちにハウスルールを使ってしまっていた(ルルブの解釈を間違っていた)ことが発覚した場合、皆が納得できるよう相談すべきでしょう。


 最後に、忘れてましたが「推奨技能」というものも基本ルールブックには存在しない言葉です。サンプルシナリオにも推奨技能は一切存在しないので、これも実質ハウスルールということになりますね!推奨技能滅びれろ!!
CoCの本場はアメリカ.ということで技能の英語名を掲載します.

英語名    日本語名

という感じで並べています.英語名だと少し印象が変わるかも.
翻訳に役に立つかもしれません.

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Fist/Punch        こぶし/パンチ
Kick            キック
Head Butt        頭突き
Grapple            組み付き
Throw            投擲
Handgun            拳銃
Rifle            ライフル
Shotgun            ショットガン
Submachine Gun    サブマシンガン
Machine Gun        マシンガン
Martial Arts    マーシャルアーツ

Spot Hidden        目星
Listen            聞き耳
Library Use        図書館
Dodge            回避
First Aid        応急手当
Psychoanalysis    精神分析
Psychology        心理学

Climb            登攀
Jump            跳躍
Swim            水泳
Navigate        ナビゲート
Track            追跡
Conceal            隠す
Hide            隠れる
Sneak            忍び歩き
Disguise        変装
Drive Automobile / Horses    運転
Pilot            操縦
Ride            乗馬

Locksmith        鍵開け
Photography        写真術
Craft            製作
Electrical Repair    電気修理
Mechanical Repair    機械修理
Operate Heavy Machine    重機械操作

Credit Rating    信用
Fast Talk        言いくるめ
Persuade        説得
Bargain            値切り
Other Language    ほかの言語
Own Language    母国語

Accounting        経理
Anthropology    人類学
Archaeology        考古学
Art                芸術
Astronomy        天文学
Biology            生物学
Chemistry        化学
Computer Use    コンピューター
Cthulhu Mythos    クトゥルフ神話
Electronics        電子工学
Geology            地質学
History            歴史
Law                法律
Medicine        医学
Natural History    博物学
Occult            オカルト
Pharmacy        薬学
Physics            物理学

――――――
こんにちは,アノマロです.
 最近オンラインでのルールブック未所持の問題が何かと話題になってますね.
 実はルルブに限らず,クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションでは,参加者がどこまで準備をしていかなければならないかの認識の違いでトラブルになることが少なくありません.
 例えばスマートフォンしか持っていないプレイヤーが参加したところ,セッションが始まってからキーパーに「なんでパソコン使えないの言わなかったんですか!?」と怒られてしまった,なんてことはよく聞く話です.

 そこで,今回はクトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションでプレイヤーをやる前に,最低限必要なものと知識を紹介します.なお,この記事は古代生物が自分なりにまとめたものなので,人によってはそこまで必要ないと考える方もいらっしゃるかもしれません.しかし,これらを押さえておけば少なくとも準備不足によるトラブルを9割はカットできるかと思います.

 それでは,以下に必要なものを解説していきます.重要度の高いものから挙げていきますので,もしそれらが用意できないようなら事前にキーパーに確認しましょう.


【ルールブック】
 プレイするにあたり,最も重要なものはルールブックです.ルールブックにはキャラクター作成や各種判定など,必要な情報が纏められており,セッション中もページの参照を求められます.
 ルールブック未所持で参加することは,知り合いのキーパーならいざ知らず,誰でも募集しているセッション(いわゆる野良卓)では嫌がられます.特に未所持を隠して参加することは必ずトラブルになります.
 プレイ動画などでなんとなく「ルールのようなもの」はわかるかもしれませんが,実は細かいルールがいくつもあり,ベテランのキーパーでもルールブックを常に確認しながらセッションをしています.必ずルールブックを買ってセッションに参加しましょう.
 ルルブを買う前に体験してみたいという方は,初心者体験卓を探すか,知り合いに体験卓を開いてもらえるようお願いしましょう.



【パソコン】
 募集文に何も書かれていなければ,セッションはパソコンが使えることが前提です.スマートフォンからではどどんとふの機能をすべて使うことができず,セッションの進行に支障が生まれてしまいます.例えばスマホ用どどんとふ「ひよんとふ」ではキャラクターのコマを作成することができません(うろ覚え).
 しかし人によってはまだ高校生だからパソコンを買ってもらえない,なんて方もいらっしゃるでしょう.どうしてもスマートフォンで参加したい場合は応募するときに「スマホからの参加は可能ですか?」と一言添えましょう.

【Skype・ディスコード】
 ボイスセッション(通話をしながら行うセッション)では,かならずどちらかが必要になります.募集要項をよく確認し,あらかじめパソコンにインストールしておきましょう.

【どどんとふの使い方】
 セッションは基本的にはどどんとふを使って行われます.(最近はユドナリウムなんてものもありますが)
 どどんとふの使い方は解説している個人ブログなどがありますので,ググって調べてみてください.もしくは知り合いに聞くのがいいでしょう.
 例としてクトゥルフ神話やろうずwikiのどどんとふ指南forPLを紹介します.
http://seesaawiki.jp/trpgyarouzu/d/%a4%c9%a4%c9%a4%f3%a4%c8%a4%d5%bb%d8%c6%ee%20for%20PL

 使い方を確認したら,下のどどんとふ公式サーバのお試し部屋でいろいろ試してみましょう.
https://www.taruki.com/dodontof.html

【募集要項をしっかり読む】
 募集要項をしっかり読むことは大事です.例えば現代日本が舞台のセッションをやりたいのに,募集文を見落としていて1890年代のセッションに参加してしまった,なんてこともたまに聞きます.(古代生物も以前キャットゥルフを募集したのに,参加者に「キャットゥルフだと思わなかった!作り方わかりません!」と言われて困ったことがありました.)

【ルールブックを読む】
 実際にオフラインで集まって行うセッションでは,キーパーがルールブックを持っていれば,プレイヤーに必要なページをすぐに見せてあげることができます.しかし,オンラインではそうはいきません.円滑なセッション進行のため,プレイヤーはある程度ルールを把握していて,曖昧なところはすぐにルルブを参照できるようにしておかなければなりません.
 初めてプレイするなら最低限以下のページは読んでおきましょう.
  P28-38 イントロダクション
  P40-41 探索者の創造
 以下のページは,初めてのプレイまでに全部読むのは大変なので,いろんなセッションに参加するのと並行して,繰り返し読んでルールに慣れ親しんでおきましょう.
  P39~P98 探索者について,ルールと技能,正気と狂気

【推奨技能の確認】
 推奨技能不要論者過激派により粛清されました.

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 いかがでしたでしょうか.結構やることが多いですよね.
 でもこれらの準備をしていけば「初心者なのにすごいね!」と言われ,他ののプレイヤーと仲良くなれること間違いなしです.
 ちゃんと準備をがんばる人だと思われれば,周りの人も積極的に助けてくれるはずです.そうすればすぐにオンラインセッションを楽しめるようになるでしょう!

 それではよいTRPGライフを.

 ※もし「こういうことも事前に必要」と言うのがあればぜひコメントをお願いします.
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